先日、「アメリカの〇〇大学で研究されている遺伝子レベルで肌が若返る化粧水を買ったの」という女性トークに聞き耳を立てていたときの話。
この女性、いつか壺を買わされそうな気配が…と心配しつつ、さらに耳を傾ける。
女性A「アメリカの有名な研究者が見つけた成分があってね、肌の細胞は毎日死んでいるけど、その成分を使えば、細胞が遺伝子レベルで生まれ変わるらしいの。その成分が含まれた化粧水は世界でひとつだけらしいの。」
女性B「へえ、すごいね。肌に合ってるの?」
女性A「使い始めてからすごく肌がもちもちする感じ。乳液もいらないかも」
女性B「前の化粧水よりもいい感じ?」
女性A「美白にもいいビタミンやコラーゲンもたっぷり含まれてる。透明感も出るよ。」
女性B「でも、それってちょっと高いんじゃないの」
女性A「あたしでも買えないことはないくらいの値段よ。試してみる?」
女性B「今度見せて!」
筆者がこれを聞いて感じたのは「情報リテラシー不足の社会」です。
何事も「情報を鵜呑み」にせず、ちょっと冷静になって考える時間が必要だと思いました。
ということで、今回は上に書いた話をところどころ拾いながら、社会派の記事を書いてみたいと思います。
Contents
有識者が言ったから間違いない?
女性Aが「アメリカの研究者の〇〇が提唱した」と言っていること。
それは、言い換えれば「科学・医学的エビデンス(根拠)がある」こと。
本当にそうでしょうか?
学者や医者らの有識者でも、何らかの学会に所属したり、後援団体があったり、メーカー研究員を併任したり…と、研究成果(商品)に「色がついた意見」を添えることもあるでしょうし、人によっては何年も前の(誤った)常識を振りかざす人もいるかもしれません。
大事なのは、「誰が言った」ではなく論旨を支える「エビデンス」です。
またエビデンスにもレベルがあるので、より角度の高い情報を選別することも重要です。
単一の情報を信じ込むと…
「細胞が遺伝子レベルで蘇る?」
いやいや、経皮摂取で遺伝子が変異する成分って「ノーベル医学・生理学賞ものですか」って話です(笑)
それに、そもそものところ、細胞自体は常に新しいものが生まれています。
今ではスマートフォンひとつで世界中の情報が手に入ります。
情報が急速に増えているからこそ、情報は受け取るだけではなく、各自で精査できる能力が今後一層必要になっていくでしょう。
キャッチコピーに騙されてはいけない
「世界でひとつだけ!」「残り100本!」「ここだけの話」などの“限定”を誇張したキャッチコピー(宣伝文句)が聞こえてきた時点で、筆者は胡散臭さを感じます(笑)
本当に売れている高品質の化粧品は、こんな安っぽい宣伝文句使いませんよね。
特にブランド各社はブランドイメージを壊さないようにしてマーケティングをしているので、シンプルで清潔感が残るキャッチコピーが多いように思います。
「残り100本!」→「じゃあ売り切ったら、何がウリ(宣伝文句)の商品になるの?」
もしかしたら、「数量限定特別復活!(笑)」とか銘打って再登場するのかもしれませんね。
本当にいい商品であれば、宣伝文句は「商品の本質」を語ろうとするはずです。
化粧水は意味がないという研究も…
「肌がもちもちする感じ」
と言っても、肌の水分量を実際に計測してみないと分かりません。
とある実験で「化粧水+乳液」と「乳液のみ」を被験者に使用させ、使用後の肌の水分量を測ったところ、それほどの差が認められなかったという話を本で読んだことがあります。
この話が本当であれば、化粧水は肌の保湿力にそれほど影響しないことになるため、むしろ、乾燥を防ぐ意味では乳液などで肌に油分の膜をつくることの方が大事だということになります。
また、一説では粒子の細かさや細胞の吸収性の観点から、「化粧水が肌に浸透することがそもそもありえない」とする話もあります。
なので、
「この化粧水使いだしてから透明感が上がって調子がいい」
と思っていた化粧水も、前の化粧水より油分の割合がちょっと多いだけかもしれません…。
と、ここまで聞いて、筆者のことを信じた人も危険ですよ(笑)
筆者は本や論文を読むのが好きですが、それを記憶で話しています。
それ故に、間違いを言うこともあります。
なので、新しく情報を仕入れたら、自分で徹底的に調べてみて「質がいい情報を比べる」ことが大事です。
エビデンスが得られている美容商品もある
とは言っても、美容商品のすべてを否定しているわけではありません。
プラセボとしてはメンタルに好影響を与えて、結果として肌の調子が改善することも期待できますし、人体検証したうえでエビデンスを得ている化粧品も一定数あると思います。
例えば、ビタミンA(レチノール)は美白に関するエビデンスが認められた成分だったかと思います。
その一方で、とにかく女性が好きな「コラーゲン」については眉唾ものです。
コラーゲンは肌に塗ったとしても、食事から摂取したとしても、体内でアミノ酸に分解されて本来の目的として機能しないという見解が多くなっている中、一生懸命肌へ塗りつけ(=肌への摩擦=肌の劣化)ている人も未だにいるかもしれません。
体内で生成される成分と「同じ成分を摂取した」から同様の効果が得られるというのは、そもそも考えを改める必要がありそうです。
どうしたらキレイになれるの?
ここまで、筆者は女性の話にツッコミを入れてきただけですし、IKKOさんのような美容家でもないので、
「どうしたらキレイになれるの?」
その答えは持ち合わせていません。
ただ、言い方はあれですが、先人たち(マダムたち)を見てみるといいかもしれません。
いくら若く見える人でも、40代のマダムが20代の若々しいツルツルピカピカの肌には勝てないですよね?
きっと彼女たちも美肌のために化粧水に乳液にと、基礎化粧品に惜しみなく投資してきたはずです。
このことから言えるのは、「基礎化粧品に力を入れるだけでは、結局エイジング(加齢)には勝てない」ということ。
筆者は気になった人がいると、その人の食事、睡眠、運動などの生活習慣を聞くことが多いです。
本当に当たり前のことですが、生活習慣が整っている人は肌がキレイです。
エビデンスが揃っていない「肌にいいかも!?の商品」に頼ってみるのも一つの手ですが、明日の菓子パンをサラダに変える、睡眠時間を確保するなど、アンチエイジング(抗加齢)に対して、エビデンスが認められた生活習慣を着実に実行してみると、より確実にキレイに近づくのではないでしょうか。
筆者も今まさに、生活習慣の見直し中です。
飲酒量の低減、野菜の摂取、睡眠時間の確保、糖質摂取量の制限、運動など、できることから少しずつ変えていっています。
今後もしかしたら、このブログは栄養・睡眠・運動などの健康面に直結することを題材にすることが多くなるかもしれません。
ただ、若い人が若い時から考えておくからこそ意義があること(若者目線)は忘れないようにしたいと思います。
どうぞ今後とも「猫をかぶるブログ」をよろしくお願いします!
